プログラム(予定)


以下の発表は、発表者により取り下げられました。

対 P7 保育者の子ども理解のプロセスーTEMとNIRSのジョイント・ディスプレイによるメタ統合より
1日目 @オンライン

10:00-12:00 オンラインコメントセッション
12:30-13:30 オンライン総会

14:00-16:00 オンライン大会実行委員会企画シンポジウム
16:15-18:00 大会実行委員会企画・対面ワークショップ 「TEAでつながる―分野間交流ワークショップ―」
1日目のオンライン企画については、立命館大学茨木キャンパス内でもオンラインに接続いただけるよう、学内にてご利用いただけるIDならびに視聴場所を用意いたします。PC・スマホなどの機器はご持参ください。



2日目 @立命館大学(対面)

9:00-10:00 大会記念講演(John Creswell先生)(オンライン/パブリックビュー)
10:15-12:15 対面ポスター発表
13:00-15:00 対面シンポジウム/研究交流委員企画・対面ワークショップ「hana-TEM アートで描くわたしの径路」
15:15-17:15 講習会


主な大会実行委員会企画

大会記念講演"TEA as a Cultural International Qualitative Research Approach"「文化的、国際的な質的研究アプローチとしてのTEA」

日時:6月11日(日) 9:00-10:00(オンラインで配信/パブリックビューイングの予定)
講演者:ジョン・クレスウェル(John W. Creswell)(ミシガン大学)
通訳・解説者:廣瀬眞理子(関西学院大学)
司会者:サトウタツヤ(立命館大学)

This presentation addresses how to expand TEA as an international qualitative research approach. We take the position that discussing TEA as a qualitative approach in Creswell and Poth (2018) book offers a good framework for presenting TEA as an international qualitative approach. To this end, we first discuss the basics of TEA and qualitative research. We then describe the five approaches used in Creswell and Poth's (2018) book and highlight the central topics of the research process. These topics are worldview, research questions, data collection, data analysis, writing structure, bias, validity, and quality criteria. We next apply these topics to TEA. We do this by first mentioning the examples used in the five approaches book, and then present how we would discuss TEA for each topic. The presentation will be followed by a short question and answer session.

本講演では、TEAを国際的な質的研究アプローチとしてどのように展開するかについて取り上げる。Creswell and Poth (2018)の著書『質的研究とリサーチデザイン:5つのアプローチ』でもちいたフレームワークを使って、国際的な研究アプローチとしてのTEAについて論じる。そこで、まずTEAと質的研究の基本を説明する。次に、Creswell and Poth (2018)の本における5つのアプローチ(訳者注:ナラティブ研究、現象学的研究、エスノメソドロジー、GTA、ケース・スタディ)と、研究プロセスの中心的トピックに焦点をあてる。これらのトピックとは、世界観、リサーチクエスチョン、データ収集、データ分析、そして文章構造、バイアス、妥当性、そしてクオリティ基準である。次に、これらのトピックをTEAに適用する。5つのアプローチの本における例に触れたのちTEAにおいて各トピックを論じる。講演後に短い質疑応答を受け付ける。 (適宜日本語解説あり)

大会実行委員会企画シンポジウム「TEM/TEAにおけるトランスビューとナラティブ」

日時:6月10日(土) 14:00-16:00(オンライン)
企画者:北出慶子(立命館大学)、上川多恵子(立命館大学大学院人間科学研究科)
話題提供者:稲田栄一(関西学院大学)、中井好男(大阪大学)、丸田健太郎(広島大学附属小学校)、豊田香(拓殖大学)
指定討論者:横山草介(東京都市大学)
概要:TEM/TEAの特徴の一つとして、TEM図を介して語り手と聴き手それぞれの視点の融合(トランス)を目指す「トランスビュー」という概念がある。本シンポジウムでは、①TEM/TEAを用いた日本語教育研究および授業実践、②TEM図を介して語り合う協働自己エスノグラフィ(collaborative autoethnography)の実践、③TEM図を用いた留学生のキャリア支援の実践、といった3つの観点からTEM図を介したトランスビューの特徴とその意義について話題提供を行い、議論を深める機会としたい。

大会実行委員会企画ワークショップ「TEAでつながる―多分野間交流ワークショップー」

日時:6月10日(土) 16:15-18:00(対面)
企画:大会実行委員会(松尾憲暁・上川多恵子・北出慶子・高井かおり・中谷潤子)
概要:TEAの研究や社会実装は、心理学、保育、介護・看護、キャリア、言語教育など、その分野は多岐に渡ります。本企画では、第2回大会テーマ「TEAでつながる」ことを目的とし、多様な分野の人々がTEAをきっかけに既存の分野を越えて交流する機会としたいと考えております。ワールドカフェ形式でのワークショップでは、参加者の興味により、「TEAの魅力と難しさ(初学者向け)」「発生の三層モデル(TLMG)の魅力と難しさ」「新しい形のTEM図/TLMG図の挑戦」「研究以外(社会実装)でのTEAの援用」などのテーマで小グループになり、対話型ワークショップを行います。また、ワークショップ後には全体交流会を行い、グループ外の方々とも交流できる場を設ける予定です。TEA/TEM初学者の方から長年取り組んでおられる方まで、多様な方々のご参加をお待ちしています。

※定員30名に達しましたので、本ワークショップの参加申し込み受付を終了いたします。
※このワークショップに関する問い合わせは、大会事務局ではなく、下記の大会実行委員会までお願い致します。
問い合わせ先:大会実行委員会 松尾憲暁 matsuo.noriaki.i6@f.gifu-u.ac.jp

研究交流委員会企画ワークショップ「hana-TEM アートで描くわたしの径路」

日時:6月11日(日) 13:00-15:00(対面)
企画:研究交流委員会(中坪史典・加藤望・上川多恵子・土元哲平・中本明世)
概要:このワークショップは、アートによって人生径路を描くワークを実際に体験しながら参加者同士が交流できる場です。具体的には、花や石などの素材を用いてTEMを作り(hana-TEMと呼びます)、それをもとに他者と交流することになります。人と話すのが苦手、自分自身のことについて言語化するのは苦手、という方でも大丈夫です。ことばにする必要はありません!「さまざまな作品を眺め、感じ、浸る」ことによる共感、ないし他者の感覚と関わることを大切にします。hana-TEMは、TEMの基本的なスキームを活かしながらも、言語にこだわらずに、人生径路における「曖昧さ」や「複雑さ」をより豊かに表現することを目指します。hana-TEMを作成したり、他者と交流することは、自分自身の癒やしになります。また、芸術を通して自己・他者との対話や内省を深める効果も見込まれます。 皆様のご参加をお待ちしております。

※定員30名に達しましたので、本ワークショップの参加申し込み受付を終了いたします。

※このワークショップに関する問い合わせは、大会事務局ではなく、下記の研究交流委員会までお願い致します。
問い合わせ先:研究交流委員会 中本明世 nakamoto@konan-wu.ac.jp

講習会

TEAのいろは―TEMの基礎を学ぼう―

講師:安田裕子(立命館大学)
概要:複線径路等至性アプローチ(Trajectory Equifinality Approach:TEA)は、過程と発生をとらえる質的研究の方法論である。TEAは、文化心理学に依拠し、文化的存在である人の発達や人生径路を描出する方法「複線径路等至性モデリング(Trajectory Equifinality Modeling:TEM)」が、その原点にある。TEMは等至性(Equifinality)の概念を発達的・文化的事象に関する心理学研究に組み込もうと考えたヤーン・ヴァルシナー(2001)の創案にもとづく。等至性の概念では、人間は開放システムととらえられ、歴史的・文化的・社会的な影響を受け多様な軌跡を辿りながらも、ある定常状態に等しく(Equi)到達する(final)存在(安田, 2005)とされる。TEMでは、研究目的に照らして等至性を具現化する選択や行動を等至点として焦点化し、等至点に至りそこから持続する人間発達や人生径路の多様性・複線性、潜在性・可能性を、非可逆的時間と文化的・社会的な諸力とともにとらえる。本講座では初学者向けのものである。ペアワークを通じて体験的に学ぶ。
引用文献
Valsiner, J., (2001).Comparative study of human cultural development, Madrid: Fundacion Infancia y Aprendizaje.
安田裕子.(2005).不妊という経験を通じた自己の問い直し過程―治療では子どもが授からなかった当事者の選択岐路から.質的心理学研究,4,201-226

TEA(複線径路等至性アプローチ)の理論的進展(2)

講師:サトウタツヤ(立命館大学)
概要:昨年度の大会に引き続き、理論的進展の紹介を行う。TEA(複線径路等至性アプローチ)は、分岐点と等至点とその複線経路が最小のユニットであるが、近隣諸科学の様々な概念を取り入れて発展してきた。たとえば、科学社会学の概念としての必須通過点(OPP)をTEMに取り入れたことがその例としてあげられる。今回は、シモンドンの展結・個体化、松村の関係学とTEAのマリアージュの可能性について焦点をあてていきたい。前者については、時期区分と個体化プロセスのクロスチェック表(福山、2022)を、後者については関係構造の図的表現とTEMやTLMGの接合(乾・サトウ、2023;杉本、2022)を紹介することを通じて、議論を行っていきたい。


研究方法としてのライフストーリーとTEM図

講師:髙井かおり(立命館大学大学院人間科学研究科博士課程後期課程)
概要: みなさんは「何か」を明らかにするために研究をしていると思います。その何かはどのような方法を用いれば明らかにできるか、また、その明らかになったことはどのように示せば読者に伝わり易いかということも考え研究方法を決めていると思います。その結果、私はライフストーリー研究を続けてきました。そして、TEM図の存在を知り初めて描いた時は、単に、ライフストーリーを図にしてみたらおもしろいかもしれないという興味本位でした。  しかし、その後、TEM図を使った研究発表を聞いたり論文を読んだり、自分でもTEM図を描くうちに、TEM図は単にライフストーリーを図にしたものではなく、それぞれが示したいものが違うのではないかという当たり前のことに気づきました。そこで、ライフストーリーはどのようなことが示せるのか、TEM図ではどのようなことが示せるのか、みなさんと一緒に考えたいと思います。


記号論的文化心理学とTEAにおける記号

講師:滑田明暢(静岡大学)
概要: TEA(Trajectory Equifinality Approach: 複線径路等至性アプローチ)は、個々人の経験の径路を描き、その径路において記号がどのように働いているのかを探求することができる理論的方法論的枠組みである。TEAにおける記号という概念は、記号論的文化心理学の議論に基づいて発展してきた。そのため、記号論的文化心理学の考え方を理解していることが、TEAを用いた研究を進めるうえで役に立つと考えられる。本講習会では、ヴァルシナーによって展開されてきた記号論的文化心理学の考え方(例えば、Valsiner, 2014の議論を含む)を概説する。最新の動向というよりは、蓄積されてきた議論の要点をまとめる形での概説をめざす。これまでに展開されてきた記号論的文化心理学についての理解を深めることで、TEAにおける記号とは何かについての理解を深め、TEAを用いて研究を進めることの後押しをする機会としたい。


オンラインコメントセッション

TEA研究を協働的に学ぼう

日時:6月10日(土)10:00-11:00(オンライン)
企画:安田裕子(立命館大学総合心理学部)
概要:TEAは、社会的・文化的影響下にある人間の発達や人生径路の時間的変容・維持をいかにとらえるかに関心をもつ、国内外の多学問領域にまたがる研究者や実務家の方々の果敢な挑戦のもとで育ってきました。2004年1月にTEMが誕生して以来、必要に応じて、いかに分析・可視化するかを検討する研究会を開催し、その過程ではTEAというより包括的な理論的・方法論的体系へと発展してきました。このことは、各研究者・実務家がそれぞれに工夫をこらしながらTEM/TEAの適用可能性について検討を重ねてきた厚い基盤によって成り立つものであると言えるでしょう。こうした対話的・相互的に教えあい学びあう姿勢を大切にしてきた理念のもと、TEA研究を協働的に学ぶオンラインセッションを開催します。分析に取り組んでいる方々、発表してみませんか。サトウタツヤと安田裕子がコメンテーターを担いますが、このセッションに参加されるみなさんによる協働的な学びの場とすることを目指します。なお、発表枠には限りがあります(先着順)。