プログラム(予定)

1日目 @オンライン

10:00-12:00 オンラインコメントセッション
12:30-13:30 オンライン総会

14:00-16:00 オンライン会員企画シンポジウム/オンライン大会実行委員会企画シンポジウム
16:15-18:00 大会実行委員会企画・対面ワークショップ 「TEAでつながる―分野間交流ワークショップ―」
1日目のオンライン企画については、立命館大学茨木キャンパス内でもオンラインに接続いただけるよう、学内にてご利用いただけるIDならびに視聴場所を用意いたします。PC・スマホなどの機器はご持参ください。



2日目 @立命館大学(対面)

9:00-10:00 大会記念講演(John Creswell先生)(オンライン/パブリックビュー)
10:15-12:15 対面ポスター発表
13:00-15:00 対面シンポジウム
15:15-17:15 講習会


主な大会実行委員会企画

大会記念講演:内容未定

日時:6月11日(日) 9:00-10:00(オンラインで配信/パブリックビューイングの予定)
講演者:John Creswell
司会:サトウタツヤ(立命館大学)
概要:未定

大会実行委員会企画シンポジウム「TEM/TEAにおけるトランスビューとナラティブ」

日時:6月11日(土) 14:00-16:00(オンライン)
企画者:北出慶子(立命館大学)、上川多恵子(立命館大学大学院人間科学研究科)
話題提供者:稲田栄一(立命館アジア太平洋大学)、中井好男(大阪大学)、丸田健太郎(広島大学附属小学校)、豊田香(拓殖大学)
指定討論者:横山草介(東京都市大学)
概要:TEM/TEAの特徴の一つとして、TEM図を介して語り手と聴き手それぞれの視点の融合(トランス)を目指す「トランスビュー」という概念がある。本シンポジウムでは、①TEM/TEAを用いた研究実践、②TEM図を介して語り合う協働自己エスノグラフィ(collaborative autoethnography)の実践、③TEM図を用いた留学生のキャリア支援の実践、といった3つの観点からTEM図を介したトランスビューの特徴とその意義について話題提供を行い、議論を深める機会としたい。
大会実行委員会企画ワークショップ「TEAでつながる―多分野間交流ワークショップー」

日時:6月11日(土) 16:15-18:00(対面)
企画:大会実行委員会
概要:TEAの研究や社会実装は、心理学、保育、介護・看護、キャリア、言語教育など、その分野は多岐に渡る。本企画では、第2回大会テーマ「TEAでつながる」ことを目的とし、多様な分野の人々がTEAをきっかけに既存の分野を越えて交流する機会としたい。参加者の興味により、①TEAの魅力と難しさ(初心者向け)、②発生の三層モデル(TLMG)の魅力と難しさ、③新しい形のTEM図/TLMG図の挑戦、④研究以外(社会実装)でのTEAの援用、などのテーマで小グループになり、対話型ワークショップを行う。 TEA/TEM初心者の方から長年取り組んでおられる方まで、多様な方々のご参加をお待ちしています。

講習会

TEAのいろは―TEMの基礎を学ぼう―

講師:安田裕子(立命館大学)
概要:複線径路等至性アプローチ(Trajectory Equifinality Approach:TEA)は、過程と発生をとらえる質的研究の方法論である。TEAは、文化心理学に依拠し、文化的存在である人の発達や人生径路を描出する方法「複線径路等至性モデリング(Trajectory Equifinality Modeling:TEM)」が、その原点にある。TEMは等至性(Equifinality)の概念を発達的・文化的事象に関する心理学研究に組み込もうと考えたヤーン・ヴァルシナー(2001)の創案にもとづく。等至性の概念では、人間は開放システムととらえられ、歴史的・文化的・社会的な影響を受け多様な軌跡を辿りながらも、ある定常状態に等しく(Equi)到達する(final)存在(安田, 2005)とされる。TEMでは、研究目的に照らして等至性を具現化する選択や行動を等至点として焦点化し、等至点に至りそこから持続する人間発達や人生径路の多様性・複線性、潜在性・可能性を、非可逆的時間と文化的・社会的な諸力とともにとらえる。本講座では初学者向けのものである。ペアワークを通じて体験的に学ぶ。
引用文献
Valsiner, J., (2001).Comparative study of human cultural development, Madrid: Fundacion Infancia y Aprendizaje.
安田裕子.(2005).不妊という経験を通じた自己の問い直し過程―治療では子どもが授からなかった当事者の選択岐路から.質的心理学研究,4,201-226

TEA(複線径路等至性アプローチ)の理論的進展(2)

講師:サトウタツヤ(立命館大学)
概要:昨年度の大会に引き続き、理論的進展の紹介を行う。TEA(複線径路等至性アプローチ)は、分岐点と等至点とその複線経路が最小のユニットであるが、近隣諸科学の様々な概念を取り入れて発展してきた。たとえば、科学社会学の概念としての必須通過点(OPP)をTEMに取り入れたことがその例としてあげられる。今回は、シモンドンの展結・個体化、松村の関係学とTEAのマリアージュの可能性について焦点をあてていきたい。前者については、時期区分と個体化プロセスのクロスチェック表(福山、2022)を、後者については関係構造の図的表現とTEMやTLMGの接合(乾・サトウ、2023;杉本、2022)を紹介することを通じて、議論を行っていきたい。


研究方法としてのライフストーリーとTEM図

講師:髙井かおり(立命館大学大学院人間科学研究科博士課程後期課程)
概要: みなさんは「何か」を明らかにするために研究をしていると思います。その何かはどのような方法を用いれば明らかにできるか、また、その明らかになったことはどのように示せば読者に伝わり易いかということも考え研究方法を決めていると思います。その結果、私はライフストーリー研究を続けてきました。そして、TEM図の存在を知り初めて描いた時は、単に、ライフストーリーを図にしてみたらおもしろいかもしれないという興味本位でした。  しかし、その後、TEM図を使った研究発表を聞いたり論文を読んだり、自分でもTEM図を描くうちに、TEM図は単にライフストーリーを図にしたものではなく、それぞれが示したいものが違うのではないかという当たり前のことに気づきました。そこで、ライフストーリーはどのようなことが示せるのか、TEM図ではどのようなことが示せるのか、みなさんと一緒に考えたいと思います。


記号論的文化心理学とTEAにおける記号

講師:滑田明暢(静岡大学)
概要: TEA(Trajectory Equifinality Approach: 複線径路等至性アプローチ)は、個々人の経験の径路を描き、その径路において記号がどのように働いているのかを探求することができる理論的方法論的枠組みである。TEAにおける記号という概念は、記号論的文化心理学の議論に基づいて発展してきた。そのため、記号論的文化心理学の考え方を理解していることが、TEAを用いた研究を進めるうえで役に立つと考えられる。本講習会では、ヴァルシナーによって展開されてきた記号論的文化心理学の考え方(例えば、Valsiner, 2014の議論を含む)を概説する。最新の動向というよりは、蓄積されてきた議論の要点をまとめる形での概説をめざす。これまでに展開されてきた記号論的文化心理学についての理解を深めることで、TEAにおける記号とは何かについての理解を深め、TEAを用いて研究を進めることの後押しをする機会としたい。


オンラインコメントセッション

TEA研究を協働的に学ぼう

日時:6月10日(土)10:00-11:00(オンライン)
企画:安田裕子(立命館大学総合心理学部)
概要:TEAは、社会的・文化的影響下にある人間の発達や人生径路の時間的変容・維持をいかにとらえるかに関心をもつ、国内外の多学問領域にまたがる研究者や実務家の方々の果敢な挑戦のもとで育ってきました。2004年1月にTEMが誕生して以来、必要に応じて、いかに分析・可視化するかを検討する研究会を開催し、その過程ではTEAというより包括的な理論的・方法論的体系へと発展してきました。このことは、各研究者・実務家がそれぞれに工夫をこらしながらTEM/TEAの適用可能性について検討を重ねてきた厚い基盤によって成り立つものであると言えるでしょう。こうした対話的・相互的に教えあい学びあう姿勢を大切にしてきた理念のもと、TEA研究を協働的に学ぶオンラインセッションを開催します。分析に取り組んでいる方々、発表してみませんか。サトウタツヤと安田裕子がコメンテーターを担いますが、このセッションに参加されるみなさんによる協働的な学びの場とすることを目指します。なお、発表枠には限りがあります(先着順)。